ゲーム理論

3人のナッシュ均衡|わかりやすく3×3のナッシュ均衡の求め方を解説

こんな人におすすめ
  • 2人におけるナッシュ均衡の求め方をマスターした人
  • じゃんけんのナッシュ均衡を求めたい人

今回は、3人におけるナッシュ均衡をわかりやすく求めていこうかと思います。

2人の時と異なり、少し複雑になるものの理解してしまえば簡単に求めることができます。

れん
れん
以下の知識が必要になります!

 

まだマスターしていない方は先にマスターしてくださいね。

参考:ナッシュ均衡|わかりやすく純粋戦略ナッシュ均衡を解説します|例題つき

それでは、3人における純粋戦略ナッシュ均衡を求めていきましょう!

3人における純粋戦略ナッシュ均衡の求め方

れん
れん
まずは、3人における純粋戦略ナッシュ均衡を求めるステップを紹介していきます!
3人の純粋戦略ナッシュ均衡の求め方
  1. まずは戦略形ゲームに書き換える
  2. 自分以外のプレイヤーの戦略に対する最適戦略を選ぶ

また、今回の例題以下の問題を考えていくことにします。

問題

以下の戦略形ゲームが与えられている時の純粋戦略ナッシュ均衡を全て求めよ。

〜プレイヤー3が戦略1をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $(3, 5, 2)$ $(4, 6, 8)$
戦略2 $(8, 2, 9)$ $(7, 1, 4)$

〜プレイヤー3が戦略2をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $(4, 2, 8)$ $(3, 5, 9)$
戦略2 $(2, 8, 4)$ $(3, 9, 2)$

 

①:まずは戦略形ゲームに書き換える

まず、ひとつ目のステップとしては、戦略形ゲームに書き換えるところから始めます。

戦略形ゲームを書く場合は、3人だと1つの表にまとめることができません。

そのため、AさんとBさんとCさんがいた場合はCさんの戦略を固定した場合の戦略形ゲームをCさんの戦略の組の数だけ書いていきます。

れん
れん
上の例題の場合だと、プレイヤー3の戦略を固定して戦略形ゲームを表現していますね

表現し終えたら、次のステップに進んでいきましょう。

②:自分以外のプレイヤーの戦略に対する最適戦略を選ぶ

次のステップとしては、自分以外のプレイヤーの戦略を固定した場合の最適戦略を求めていきます。

れん
れん
少しややこしくなりますがしっかりついてきてください!

まずは、プレイヤー2が戦略1をとる場合を考えていきましょう。

問題

〜プレイヤー3が戦略1をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $(3, 5, 2)$ $(4, 6, 8)$
戦略2 $(8, 2, 9)$ $(7, 1, 4)$

〜プレイヤー3が戦略2をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $(4, 2, 8)$ $(3, 5, 9)$
戦略2 $(2, 8, 4)$ $(3, 9, 2)$

 

2人の場合と区別しないといけないのは、プレイヤー3の戦略に応じても場合わけをする必要があるということになります。

れん
れん
プレイヤー1と2の最適反応戦略を求める時は、それぞれの戦略形ゲームでの最適反応戦略を求めればOKです!

プレイヤー1と2の最適反応戦略を求めると以下のようになります。

 

〜プレイヤー3が戦略1をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $(3, 5, 2)$ $(4, $$6$$, 8)$
戦略2 $($$8$$, $$2$$, 9)$ $($$7$$, 1, 4)$

〜プレイヤー3が戦略2をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $($$4$$, 2, 8)$ $($$3$$, $5$, 9)$
戦略2 $(2, 8, 4)$ $($3$, $$9$$, 2)$

 

さて、ここからややこしくなりますがプレイヤー3の最適反応戦略を求めていきましょう。

れん
れん
プレイヤー3の最適反応戦略を求めるためには、4つ場合わけをして考えていきます

つまり、

  1. プレイヤー1が戦略1・プレイヤー2が戦略1
  2. プレイヤー1が戦略1・プレイヤー2が戦略2
  3. プレイヤー1が戦略2・プレイヤー2が戦略1
  4. プレイヤー1が戦略2・プレイヤー2が戦略2

の4つの場合の最適反応戦略を求めていきます。

まずは、①の場合、つまり「プレイヤー1が戦略1・プレイヤー2が戦略1」を取る場合を考えていきます。

 

〜プレイヤー3が戦略1をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $(3, 5, 2)$ $(4, $$6$$, 8)$
戦略2 $($$8$$, $$2$$, 9)$ $($$7$$, 1, 4)$

〜プレイヤー3が戦略2をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $($$4$$, 2, 8)$ $($$3$$, $5$, 9)$
戦略2 $(2, 8, 4)$ $($3$, $$9$$, 2)$

 

この時、プレイヤー3は戦略2を選択した方が利得が大きくなりますよね。

つまり「プレイヤー1が戦略1・プレイヤー2が戦略1」を取る場合において、プレイヤー3は戦略2を選ぶことが最適反応戦略になるということです。

れん
れん
これと同じことを実践していけばOKです

残りの3パターンについては自分で考えてみてくださいね。

答えは下のボックスに書いてあります。

ナッシュ均衡の回答はこちら

 

〜プレイヤー3が戦略1をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $(3, 5, 2)$ $(4, $$6$$, 8)$
戦略2 $($$8$$, $$2$$, $$9$$)$ $($$7$$, 1, $$4$$)$

〜プレイヤー3が戦略2をとる時〜

1\2 戦略1 戦略2
戦略1 $($$4$$, 2, $$8$$)$ $($$3$$, $5$, $$9$$)$
戦略2 $(2, 8, 4)$ $($3$, $$9$$, 2)$

 

ナッシュ均衡は、3人のプレイヤーが最適反応戦略を取る場合になります。

つまり、$(戦略2, 戦略1, 戦略1)$と$(戦略1, 戦略2, 戦略2)$が今回のナッシュ均衡です。

3人おける純粋戦略ナッシュ均衡の例題|じゃんけん

さて、ここからは3人における純粋戦略均衡の例題を紹介していきます。

れん
れん
身近な題材として3人でグリコをする場合を考えていきます

問題

3人でグリコをする場合を考える。

グリコとは、じゃんけんでグーで勝った場合3歩、チョキで勝った場合6歩、パーで勝った場合6歩進むことができ、早くゴールにたどり着くと勝ちである。

今回、勝者が一人に限定されない場合はあいことみなし全員一歩も進めないものとする。

この時の戦略形ゲームと、純粋戦略ナッシュ均衡を全て求めよ。

それでは、早速この問題を一緒に解いていきましょう!

①:まずは戦略形ゲームに直す

まずは、文章題のゲームを戦略形ゲームに直していきましょう。

れん
れん
戦略形ゲームへの直し方は覚えていますか?

AさんとBさんとCさんがいた場合はCさんの戦略を固定した場合の戦略形ゲームをCさんの戦略の組の数だけ書いていきます。

つまり、今回Cさんの戦略を固定したと考えると、Cさんの戦略としてはグー・チョキ・パーの3択になります。

よって、3つ戦略形ゲームを書くことになりますね。

戦略形ゲームの回答

〜Cさんがグーを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $(0, 0, 0)$ $(0, 0, 0)$ $(0, 6, 0)$
チョキ $(0, 0, 0)$ $(0, 0, 3)$ $(0, 0, 0)$
パー $(6, 0, 0)$ $(0, 0, 0)$ $(0, 0, 0)$

〜Cさんがチョキを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $(0, 0, 0)$ $(3, 0, 0)$ $(0, 0, 0)$
チョキ $(0, 3, 0)$ $(0, 0, 0)$ $(0, 0, 0)$
パー $(0, 0, 0)$ $(0, 0, 0)$ $(0, 0, 6)$

〜Cさんがパーを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $(0, 0, 6)$ $(0, 0, 0)$ $(0, 0, 0)$
チョキ $(0, 0, 0)$ $(0, 0, 0)$ $(6, 0, 0)$
パー $(0, 0, 0)$ $(0, 6, 0)$ $(0, 0, 0)$

②:プレイヤー3の戦略を固定して考える

さて、戦略形ゲームを書き終えてしまえばあと少しです。

次は、3つの戦略形ゲームからAさんとBさんの最適反応戦略を求めていきましょう。

これは、2人のナッシュ均衡を求めるステップと同じなのでササっと求めてしまいましょうね。

戦略形ゲームの回答

〜Cさんがグーを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $(0, 0, 0)$ $($$0$$, 0, 0)$ $($$0$$, $6$, 0)$
チョキ $(0, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 3)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$
パー $($$6$$, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$

〜Cさんがチョキを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$3$$, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$
チョキ $($$0$$, $$3$$, 0)$ $(0, 0, 0)$ $($$0$$, 0, 0)$
パー $($$0$$, $$0$$, 0)$ $(0, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 6)$

〜Cさんがパーを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $($$0$$, $$0$$, 6)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $(0, $$0$$, 0)$
チョキ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$6$$, $$0$$, 0)$
パー $($$0$$, 0, 0)$ $($$0$$, $$6$$, 0)$ $(0, 0, 0)$

 

③:最後にプレイヤー3の最適反応戦略を考える

そして、最後にプレイヤー3の最適反応戦略を考えていきましょう。

れん
れん
プレイヤー3の最適反応戦略は、プレイヤー1とプレイヤー2の戦略を固定したときにどの戦略を取ると利得が最大になるのかを考えれば大丈夫です!

今回は、$3 \times 3 = 9$通り考えていきます

まずは一緒にAさんとBさんが共にグーを出すときを考えていきます。

〜Cさんがグーを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $(0, 0, 0)$ $($$0$$, 0, 0)$ $($$0$$, $6$, 0)$
チョキ $(0, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 3)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$
パー $($$6$$, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$

〜Cさんがチョキを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$3$$, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$
チョキ $($$0$$, $$3$$, 0)$ $(0, 0, 0)$ $($$0$$, 0, 0)$
パー $($$0$$, $$0$$, 0)$ $(0, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 6)$

〜Cさんがパーを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $($$0$$, $$0$$, 6)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $(0, $$0$$, 0)$
チョキ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$6$$, $$0$$, 0)$
パー $($$0$$, 0, 0)$ $($$0$$, $$6$$, 0)$ $(0, 0, 0)$

すると、Cさんはパーを出す時の利得が一番大きくなることがわかりますね。

つまり、この時の最適反応戦略はパーを出すということになります。

これを残り8パターン行うと以下のようになります。

Cさんの最適反応戦略

〜Cさんがグーを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $(0, 0, 0)$ $($$0$$, 0, $$0$$)$ $($$0$$, $6$, $$0$$)$
チョキ $(0, $$0$$, $$0$$)$ $($$0$$, $$0$$, $$3$$)$ $($$0$$, $$0$$, $$0$$)$
パー $($$6$$, $$0$$, $$0$$)$ $($$0$$, $$0$$, $$0$$)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$

〜Cさんがチョキを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$3$$, $$0$$, $$0$$)$ $($$0$$, $$0$$, $$0$$)$
チョキ $($$0$$, $$3$$, $$0$$)$ $(0, 0, 0)$ $($$0$$, 0, $$0$$)$
パー $($$0$$, $$0$$, $$0$$)$ $(0, $$0$$, $$0$$)$ $($$0$$, $$0$$, $$6$$)$

〜Cさんがパーを出す時〜

Aさん\Bさん グー チョキ パー
グー $($$0$$, $$0$$, $$6$$)$ $($$0$$, $$0$$, $$0$$)$ $(0, $$0$$, $$0$$)$
チョキ $($$0$$, $$0$$, $$0$$)$ $($$0$$, $$0$$, 0)$ $($$6$$, $$0$$, $$0$$)$
パー $($$0$$, 0, $$0$$)$ $($$0$$, $$6$$, $$0$$)$ $(0, 0, 0)$

よって、今回の純粋戦略ナッシュ均衡は、AさんもBさんもCさんも最適反応戦略をとっている場合となります。

3人の純粋戦略ナッシュ均衡は恐れる必要はありません

今回は、3人の純粋戦略ナッシュ均衡の求め方について紹介しました。

純粋戦略ナッシュ均衡を求める問題での最難関が今回紹介した3人の場合です。

今回の記事を参考にして、3人のナッシュ均衡は確実に求められるようにトレーニングしておきましょう。

れん
れん
練習問題も用意しているので参考にしてください!